July 19, 2005

演劇ぶっく別冊「俳優になる’05」にワークショップのレポートが掲載されました!

  
1日集中ワークショップの模様が、
「演劇ぶっく・俳優になる’05」に掲載されました!
昨年の04’版に引き続いての掲載です。
 
このワークショップは2004年5月31日(日)に開催された、
1日集中ワークショップです。

その模様を、人気劇団「動物電気」の女優、石川明子さんが、
体験したものをレポートにまとめたものです。
初心者の目で、パントマイムの訓練を良くとらえていて、
私にも新しい発見があるものでした。
ワークショップの仕組みをご理解頂けると思います。
ぜひ、一度、ご一読ください♪
 
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演劇ブック別冊「俳優になる’05」
 
●自分自身があってこその俳優ではあるけれど、
 自分を知ることは以外と難しい。
 ましてや、自分の体を知るのってどうすればいいのか?
 この章では、社会派なテーマを体をはったギャグの数々で送り出す
 人気劇団「動物電気」で、5年活動している女優・石川明子さんが、 
 身をもって俳優の基礎となることを体験していきます。
 


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■パントマイム
 
■自由な身体をつかって、イメージを具現化させる。
 ことばを使わなくてもわかる、身体の持つ表現への限りない可能性を
 探ってみよう。
 
自分の身体を使って表現をするパントマイム。
 ことばを使わない分、イメージをどう身体に乗せていくかが重要だ。
 ほんの少しの動きで感情を表したり、何をしているかがわかるように
 するのに必要なテクニックとは?

▼ワークショップレポート
 
 まずは体をほぐすところから。腕、肩甲骨、股関節、肩、胸、腰……。
 パーツごと、時間をかけてストレッチ。
 「股関節を広げたほうが後々やりやすいですよ」と、今回教えていた
 だいたパントマイミストの細川紘未さん。
 やはりここでも股関節が……。身体を自由にするには、股関節を柔ら
 かくするのは必須なのだろう、と、さすがにわかってきたような。
 その後、全身をバラバラに使ってみる。
 足は3拍子、手は2拍子で動かすというものだけれど、やっぱり難しい!
 だからといって理屈ではわからない。単純に、上と下の意識を切り離す
 ことしかないようだ。
 それから2人1組になり、相手の手の動きを顔でマネしたり、あるいは
 体全体でマネしたり。「身体を使ってニュアンスを出す」、つまりは
 「いろんなモノマネをす ることで、体の表現を高める」ということに
 つながっていくのだそうだ。
 
 休憩の後、今度は体の状態についてレクチャー。「脱力」「緊張」そし
 て「集中」を、実践しながら体感。また、体の機能は「曲げ伸ばし」
 「回す」「ずらす」ということで成り立っているということも学ぶ。
 ちなみに、頭の動きは興味を、胸は感情を、腰は欲求を表しているのだ
 そう。「ずらす」というのは日舞でも出てきたキーワードだ。
 
 後半は、実際に「壁を押す」「重い物をひっぱる」など、代表的ともい
 えるマイムの動きを実践していく。ここでは、壁を押した時に手以外で
 どこに力が入っているか、などを意識していく。体の重心や、その重心
 の移動
を意識させられる。
 
 全体を通じてわかったのは、自分の肉体がどういう動きをしているのか
 を知って、そこに例えば「蝶々」などいくつものイメージを乗せ、表し
 ていくのがパントマイムなのだということ。テクニックにイメージが
 重ねられて、パントマイムは成立するのだ。
 
▼石川明子さんのレポート
 
 普通のマンションの半地下の一室。暗幕で覆われた室内は、何だかアン
 グラ的な暗さを感じたけれど、またそれが『パントマイム』という特殊
 性にはマッチしていて良い意味で少し緊張した。人数は私含めて8人と
 少人数。殆どが初心者だった。趣味が手品のサラリーマンがいたり、小
 学生の女の子がパパと一緒に来ていたり、とても微笑ましい。
 授業は軽く準備体操から始まった。さすがに特殊な授業だけあって、ス
 トレッチやヨガを取り入れたの呼吸方など、普通のダンスクラスとは違
 うので少し戸惑ってしまう。
 「最初はみんな出来ないから、今は出来る限りで動いて下さいね」と先生
 は笑っていたけれど、正直ウォーミングアップ中はずっと不安…。とこ
 ろが、ところが!  次第にマイム的なことに入っていくと、これがおも
 しろいくらいに分かりやすかった!と言うか、マジで感激してしまった。
 パントマイムがこんなにもイメージしやすいものだとは全く思いもしな
 かった。初めて知って驚いたことも。あまりに衝撃だったので、その感
 激の内容を4つほど箇条書きにしたいと思います。
 
◎1、身体の内側をイメージ
 
 「……胸の中央に、ピンポン玉があると思って下さいね。そのピンポ
 ン玉を外に向かって自分の身体の壁に当ててみます。その意識で動
 いてみて下さい。」W−UPの終盤タイム。イメージ通りに動いて驚い 
 た。それが所謂「胸を動かす」という動作だったからだ。私の数少ない
 以前のダンススクール経験で、常に「それは腰を動かしている!」と
 ダメを出された、アノ動作。先生はそれを一発で自分にイメージ化さ
 せてしまった。実際、上手く胸を動かせたとは思わないけど、視覚で
 見ても理屈を教えてもらっても納得できなかったことが、一瞬で「こう
 言う事だったのね!」と感じることが出来たのには驚いた。
 先生曰く、パントマイムは身体の内側をイメージすることが大事らし
 い。けれど、これはダンスを超えて、全ての身体表現をするのに必要
 なことではないのだろうか?少なくとも、このピンポン玉イメージ方法
 はスゴイ。素敵だ。
 
◎2、表現するものの性質、特徴を取り入れて表現
 
 私はパントマイムというものは、あるものを触る芝居をする
 時に、ただ現実と同じようにするものだとばかり思っていた。確かにそ
 ういう部分はあるけれど、それだけではなかった事が分かった。
 マイムで表現するには、その表現する動きを自分の中に入れなけ
 ればならない。
 例えば有名な「壁」のマイム。あれも良く考えてみると「壁がある」と
 いう漠然な表現では無くて、「硬い」「動かない」「広い」などを表し
 ていたように思う。客に見せたい物の属性、特徴を取り入れて表現する
 こと。意識しなければ絶対できない。気がついて良かった。
 
◎3、集中
 
「動き、身体の状態にはどんなパターンがありますか?」と聞かれる。生
 徒達は「脱力」「緊張」を答えることが出来たが、あと、もうひとつが
 分からない。「マイミストにとって一番大事な動きです」と先生。
 ……答えは「集中」だった。いまいちピンとこなかったのだが、「新宿
 の駅とかで、たまに居るでしょう?」と言われて少し納得した。ああ、
 確かに良くJRの改札前とかに居る、あのピエロみたいな人の動きか。
 でも、その動きが何故大事なのだろう?
 ペットボトルを用意して、まずそれを持ち上げる。次に今度はその横に
 ある(と仮定する)透明のペットボトルを持ち上げる。演劇の練習のよ
 うだな、と思った矢先、先生が言った。
 「ヒジから手首まではペットボトルの重さを意識しますが、手首から先
 は集中です」言われただけでは、何だか分かりにくかったけれど、実際
 持ってみるとスゴク納得出来た。「集中」は動きの固定である。また「緊
 張」と違って持続しやすい。力をパンパンに入れるのでは無く、単に静
 止した状態をつくるのである。そう考えると、例えば「コップを持つ」
 というマイムなどで何故自分が下手だったのかが分かった。持つ、を意
 識しすぎて指先や手のひらに力をこめ過ぎていたからではなかろうか。
 これも知らなければ気付かなかった事だ。うーん。
 
◎4、意識は腰!
 
 最後にテクニック。「重い物を押す」と言うお題で、まずは実際の壁を
 押して、どこに自分が力を入れているのかを確認する。体感すると良く
 分かる。「腰を意識して入れた方が地面も壁も押せる」との事。次に
 「引っ張る」動作。やっぱり腰がポイントで、ただ今度は 腰を入れるの
 ではなくて、腰で重い物を反対側に押すイメージが必要になる。腰で押
 しながら、何かを手で引っ張る。腰への意識ひとつで、鏡にうつる自分
 の姿がへっぴり腰なりに、段々それなりに見えるようになったから不思
 議である。自意識?かもしれないけれど言われた通りに身体を意識
 して、イメージする事はとても楽しい。つい夢中になって汗だくにな
 ってしまった。
 
 確かにパントマイムの動作は難しい。身体も力を入れたり、固定したり
 とイッパイイッパイだ。けれど、今回とても感じたことは、その動き全
 てがイメージの上に成り立っているという事だ。先生の言葉にも「触っ
 ているとか、圧迫感は、まず最初に本人が感じないと伝えようとしても
 伝わらない」と言うのがあった。透明の壁を触って、透明のペットボト
 ルを持った時、その感触を自分がイメージしなくては何も始まらない。
 体感(経験)して、記憶を再現して、イメージする。それを表現する肉
 体はまだ持っていないけれど、その仕組みを知った事はすごい勉強だと
 思う。本当に感動と衝撃の一日でありました。

             演劇ブック社「俳優になる’05」より抜粋
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●この企画は「俳優の持ちもの」のいうコーナーで、
 ストレッチ、ボイストレーニング、ダンス、ことばと感性のレッスン、
 エチュードと共にパントマイムが取り上げられました。
 


hero163 at 12:23 Permalink Comments(0) TrackBack(0) パントマイムとは | ワークショップ情報  

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